◇ 屋根について

屋根で一番心配なのは雨漏りです。雨漏りしないように細心の注意と施工をしなければなりません。下地合板の上に敷かれる防水シートは、最近優れた製品が出てきました。

以下のような項目について書いています。ご覧になりたい項目をクリックしてください。

①防水シート

下地材として施工する防水シートは、アスファルトルーフィングと呼ばれる材料が主流でしたが、写真のようなゴム質の物が使われるようになりました。分厚く弾力性に富んでいます。下地材は当然のことですが、下(軒先)から決められた重ねしろを確保しながら敷き詰めていきます。

②板金工事

隅木や棟木の部分は写真のような形になります。この板金の施工は特に慎重な施工が要求されます。ジョイント部のコーキングは、しっかり確実に施工しなければなりません。この部分をいい加減に施工しますと雨漏りの原因になります。

③棟換気金物

棟に換気金物を取り付けます。この棟換気金物はとても重要な働きをします。
通気工法と併せて見ていただきたいのですが、暖められた空気は上へ上へと流れますので、外壁や屋根裏の空気を換気金物で排出してくれます。特に真夏の高温に熱せられた空気は、とても高い温度になりますので、ここで空気を排出することで室内への影響が少なくなります。

また、常に新鮮な空気が壁体内を流れることで、建物の寿命にも良い影響を与えます。良く宣伝などのうたい文句に「夏涼しく冬暖かい家」なんていうキャッチコピーがありますが、そうするには、一歩進んで断熱材とのからみを上手に施す必要があります。

棟換気金物を拡大した写真です。「こんな穴が開いてたら、雨が入りそうだけど大丈夫なのですか?」と、よく言われます。確かに一見そんな心配があるような感じがしますね。でも大丈夫なのです。内部に水返しというものがついていて雨の進入を防いでいます。



④屋根勾配について

屋根勾配は基本的に屋根材を何にするかによって決まってきます。例えば、瓦葺の場合とコロニアル葺の場合は、葺き足長さによっても違いますが、瓦葺の場合は4.5/10の勾配、コロニアル葺の場合は3.5/10以上にするとかします。これは、あまり緩勾配にしますと雨漏りの心配があるからです。

第一種低層住居地域に家を建てる場合で、絶対高さ10mの制限がありますので、3階建てにしたい時などは屋根勾配を緩やかにしないと、法をクリアーできない場合がしばしばあります。この時の葺き足長さと勾配については十分な注意が必要と思われます。

屋根勾配はデザイン上で決める場合もあります。急勾配にすることで、欧州風のデザインにしたいなんて事が良く行われていますが、屋根勾配を急にすればするほどコストアップになってきます。

屋根の作業をするのに、屋根足場を掛けなければならない場合もあります。通常6/10以上の屋根勾配の場合は、落下防止の為に屋根足場を掛けなければなりませんので、むやみに勾配を急にするのもどうかと思います。ただ勾配を急にすることのメリットもありますので、その辺は予算やデザイン、必要性など総合的に判断する必要があると思います。

⑤屋根勾配と小屋裏利用について

屋根勾配を急にしますと小屋裏(天井裏)に大きな空間が生まれます。この空間を例えば収納にするとか、場合によっては子供部屋にするとかの利用が考えられます。

但し小屋裏の利用は無制限に利用出来る訳ではありません。次のような法規制があります。

  • 面積は直下の階の1/2以下にする事。少し前までは1/8でしたが法改正で大幅に緩和されました。
  • 天井高さを1400mm以下にすること。

小屋裏を利用することは大いに結構だと思いますが、真夏の直射熱の影響をもろに受けますので、断熱材を十分充填するなどの対策が必要です。また、換気扇などを取り付けて、空気の対流を考慮する必要もあります。
小屋裏への出入りは、天井ハシゴユニットで行います。


⑥軒の出(深さ)について

本来日本家屋は昔から夏向きに造られていました。これは日本の気候風土からきています。高温多湿になる夏を、快適に過ごすための知恵でもあったのです。ですから軒の出も深いのが普通でした。今では雨宿りできるほどの軒の深い家はめったにありませんね。
これは最近では、欧米の住宅を模倣すると言いますか、取り入れると言いますか、そんな風潮が主流になってきたことも原因の一つだろうと思いますが、良い悪いはともかく、これにより、日本の古来から伝わってきた家づくりに、住まい方もそうですが、デザイン上も大きな変化をもたらしました。軒の深い家の重厚感と、いかにも日本的な風情が失われつつあるのを、嘆いているのは私だけでしょうか。

⑦ついでに、雨樋について

雨量の多い日本では雨対策は重要です。屋根に降った雨の処理は雨樋の役目ですが、屋根面積や軒の長さなどを考慮に入れて、樋の大きさや取り付け位置を十分に検討する必要があります。
また樋がある為にデザイン上芳しくない事もしばしば起ります。設計段階で十分チェックする必要があります。樋は意外と目立つものです。色についても全体のコーディネートを考えて決定すべきだろうと思います。

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