◇ オープンな間取り

なぜエコロジーというテーマの中に「オープンな間取り」が出てくるのでしょうか。これは日本古来の生活様式が、幾多の変遷を繰り返しながら現在の様式になった事実の上に、エコロジーというテーマを付き合わせてみたときに、自然と浮き出てくる一つの提案がある、と思っていただければ理解し易いのかなと思います。

一体それはどういうことなのでしょうか。その提案と根拠になる原因を探ってみることにします。たった一つの提案、考え方ですので、別な視点からみたらもっと優れた考え方もあるかもしれません。ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。

◆ オープンから閉鎖空間へ

「家は夏を旨とすべし」とは兼好法師の有名な言葉ですが、もともと日本の家屋は、高温多湿の気候風土に合わせて、高床で開放的な家でした。田の字型のオープンな部屋で、火鉢で暖をとり囲炉裏を囲って食事をしました。夏には蚊帳を張り蚊の攻撃をしのいでいました。場合によっては寝食を兼ねたような部屋でありながら、家族の団欒の場としての機能も兼ね備えた、良い意味でとてもフレキシブルな大空間の家が殆どでした。

ところが経済状況の変化に伴い、家の洋風化、設備品の高級化、ライフスタイルの変化等により、今のような家づくりになってしまった一つの背景があります。

つまり各部屋は細かく仕切られ、子供部屋なるものが出現し、そして、一斉に各部屋にエアコンが取り付けられ、お湯は電気で沸かしたお湯を使うようになるに及んでは、もはや先の兼好法師の言った日本家屋の「旨とすべし家」の面影すらなくなってしまいました。

良いも悪いも所詮、近代国家の変遷が産み落とした産物だし、その時々に一人ひとりが選択してきた結果だから、仕方がないと言ってしまえばそれまでですが、どこかに空虚でこれで良いのだろうかという思いがしてなりません。

エコロジーを考える時に、
この生活様式が原因で吐き出される、おびただしい量のCo2の影響で、自らの生命を脅かしているであろうと思われる事実が、次々と現象してくるに及んで、今更ながら事の重大さに心が痛みます。
このままいきますと、おそらく近い将来、決定的なと言いますか、致命的なと言いますか、我々人類いや生きとしいける全ての生き物にとって、重大な決意をしなければならない事態が起こりえる状況になって来ました、と言っても決して過言ではないと思います。

そこで一つの小さな提案が生まれます。

◆ 閉鎖空間から再びオープンな空間へ

そもそも家の間仕切りを細かくしなければならない理由の一つに、洋風化の考えから来る個室化とエアコンがあります。
大空間だとエアコンの効きが悪くなります。ですから6畳とか8畳などに仕切って冷暖房の効率を良くしようという訳です。その為に、家一軒に場合によっては4台から6台くらいのエアコンを設置しなければならない羽目になった訳です。

エアコンは一般的には電気エネルギーで動きます。ここが問題なのですね。高断熱高気密住宅の出現により、夏涼しく冬暖かいという家は実現したかもしれません。昔のエアコンに比べて最近のエアコンは、技術の進歩により、確かに多少の省エネにはつながった面はありますが、依然としてエアコンに頼らざるを得ない状況には変わりありません。

家のエコロジーを語る時に、例えば家でどれだけの電気を使い、どれだけのガスを使うのかを意識し、同時にこの電気やガスを作るのに、どれだけの化石燃料が消費されているのかというところまで考えなければなりません。

家で使用する水道や電気やガスや灯油などを完全になくすることは出来ませんが、工夫次第では節約は出来ます。
節約することは、化石燃料の消耗を少なくすることに繋がりますので、エコロジー的には大変な貢献になります。全国の各家庭がこの努力を続けていけば、地球の温暖化防止上の大きな効果が期待出来ます。

以下のような考え方が良いかどうかは議論する必要があるかもしれませんが、一応考えられる節約方法を少しばかり考えてみます。

水道水
家庭用の水は浄水場で管理されています。浄水場では大量の電気が使われています。水道水を節約する事は電気を節約する事に繋がりますので、エコロジーに貢献する事になります。

電気やガス
家庭用の電気は電力会社で作られ配電されます。ガスはガス会社から供給されます。
電気やガスを節約する方法は、省エネの優れた電気製品に切り替えたり、小まめにスイッチを切ったり待機電力を切ったり、いろいろな方法があります。これはこれで努力する必要がありますが、もっと効果的な方法があります。それは太陽熱による暖房や給湯を取り込む事です。

太陽熱による暖房や給湯を上手に取り込む為には、家の間取りをオープンな形にしなければなりません。

回りくどくなりましたが、温暖化防止やCo2排出削減の一つの方法として、太陽熱による暖房や給湯を考えましょうということです。

間仕切りの無い大空間が出来ますと、例えば居心地の良いリビングで、かって無いほどの楽しい家族の団欒が生まれる事が期待できます。そのことはつまり、家族の絆や子供たちへの教育上からもとても良い結果をもたらします。

更に付け加えるなら、この大空間に身を置いた時の何とも言えない気分の良さは、経験した人でないと分らない異次元の世界でもあります。是非とも前向きに検討したいテーマの一つだと思います。

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