◇ トリックを使った家

家は入居される方の為の物であり、その家で暮らす住まい手の住まい方に対する意向を尊重し、その上でこれからの住まいのあるべき姿みたいなものを提案してきました。そして当然、家は住まい手との妥協点を探りながら造るべきという考えがありました。

これはこれで良いと思うのですが、視点を少し変えて、コスト重視の家を考えても良いのではと思うようになりました。もちろん、これまでもコストを度外視して家づくりは成り立ちませんし、いやむしろ、コスト最優先が一般的な形だろうとは思っています。

このコストをもっともっと意識して多少の不満はあるかもしれないけど、そこそこの絶対に譲れない品質を保ちながらコストをとことん下げられないものだろうかという発想です。

随分前からこの構想は無い訳ではなかったのですが、いまいち突っ込んでいけない事情などがあって延び延びになっていました。

巷では、坪○○万円などと、いかにもその気にさせるような非常識と言いますか、不誠実な宣伝文句が散見されます。その甘い言葉に誘惑されて、結果的に馬鹿を見た人も数多いと聞いています。

あるお客様が、そんな宣伝文句に誘われて●●ホームに行き、いろいろ話をしてるうちに恐ろしくなって、私のところに飛び込んできました。

お客様いわく、
「トリックを使った家づくりなんて、人を馬鹿にしてる」
と憤懣やるかたない顔でした。

「家には尊厳を持って当れ」と私は常々叫び続けてきました。
少なくとも人間が住み、そこで家族が団欒し、食事し、子供たちの成長を楽しみにしながら日々を過ごす。そんなごくごく平凡な暮らしそのものが、もしかしたら最高の幸せかもしれない訳です。

そんな家を造るのに専門家としてのあるいは技術屋としてのプライドもなければ社会的責任感もない業者に、ゆめゆめ騙されてはいけないと思います。

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