ある信じられないホントの話

ある日、友人(一級建築士)からこんな話を聞かされました。
地場の中堅どころのハウスメーカー(全国系のフランチャイズチェーン加盟業者)が設計・施工した木造2階建ての現場で、耐震上極めて危険な建物であることが判明し、施主と施工者の間で紛争となっている。

「この建物は大崩壊の恐れあり」耐震チェックを専門にしている業者からの報告書に書かれたこの文面を見て、施主は恐ろしさと不安のあまり、すぐさま新築したばかりの家を出て、アパート住まいをするようになる。

報告書の写しを見させて貰いました。開いた口が塞がらないとはこの事を言うのだと思いました。報告書の文面を指で滑らせながら語ってくれた友人の話を少し考察してみましょう。
この報告書から次のようなことが見えてきました。

  1. 全国系のハウスメーカーが設計・施工した物件である事。
    一般に全国系のハウスメーカーが建てた物件は、安心感があるという間違った考えの典型的な例だと思います。
    実際に設計し施工するのは担当の社員であり職人です。会社全体のマニュアルがあればまた別かもしれませんが、その社員や職人の能力に委ねなければならない場合が殆どです。会社としてのチェック機能が全く働いていないことが良く分かります。
  2. このハウスメーカーは、家の耐震に対する意識が極めて希薄であるか、全く無知だったとしか言いようがない事。
  3. だから、このハウスメーカーは、契約の前はもとより、建てる前に家の耐震についての計算式や結果を提示・説明する資料を元々持ち合わせていなかった事。
  4. 現場を調査した上での計算結果については、業者側は弁解の余地は全くないという事。
  5. 補修するには、相当の費用がかかるであろう事は容易に想像できる事。
  6. 施工業者に耐震データの提出を求めた施主のとった行動は賞賛に値する事。
  7. 一般に施主側に意識がない限り、このような展開にはなりにくい事例の一つである事。

残念なことに、このような事例は、ほんの氷山の一角に過ぎないのだということを知っていただきたいと思います。

友人からこの話を聞き私は、これではいけない!
● 建主は木造住宅の耐震設計の重要性を、もっと知っておく必要があるのではないか
● 専門家としてこのような事例を見て見ぬ振りするのは罪だ!
という思いになり、このようなテーマ記事を特集しようと思った次第です。

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